2013年9月7日土曜日

ロゼストオーダーメイドスーツ Vol.27

昨日の「Ariston」社に引き続きましてイタリアの有名マーチャントである「Drapers」をご紹介致します。

「Drapers」社はアルトゥーロ・ローリ氏が1956年にボローニャで創業した生地マーチャント。現在はアルトゥーロの息子であるドメニコ・ローリ氏が社長を務めています。
「Drapers」は自社で企画した生地の製造をミルにオーダーしたり、ミルが持っているコレクションの中からピックアップしたりという形態をとりながら、数シーズンに渡って展開していくレギュラーラインと、シーズン限りで取り扱う「Lolli Suggestins」という2つのラインでコレクションを展開しています。

ちなみに社名は英語で「服地商」を意味する「draper」と、イタリア語で「テーラーのための服地商」という意味の「drapperie per sarti」をかけ合わせたもの。創業はどちらかと言えば新しい部類に入りますが、その高い審美眼、バラエティに富んだバリエーションはKitonやBrioni等のトップメーカーからも高い評価を得ており、世界中で人気を博しています。

その特徴ですが、生地メーカーには珍しく社長であるドメニコ氏が自ら世界中を飛び回り、私達取り扱い店やテーラーを回ってはお客様の声に耳を傾け、要望や意見を随時コレクションに反映されています。特にシーズンバンチである「Lolli Suggestions」はこういった情熱あふれるローリ氏の提案が色濃く感じられ、毎シーズン人気を博しています。

コレクションの大半はイタリアの様々なミルからセレクションされた生地ですが、英国で織らせた生地も取り扱っており、テイストによってミルの使い分けが非常に上手なマーチャントであると言えるでしょう。

おススメの生地ですが、それは何と言っても筆頭は「Lolli Suggestions」に尽きます。
毎シーズン、スーツ生地、ジャケット生地が約30種類程度づつのコレクションですが、上記に述べた通りドメニコ氏の審美眼に叶った選りすぐられたオールスターの様なバンチに仕上がっています。
特にジャケット生地に関してはヴィンテージ柄をモダンなカラートーンに置き換えたり、先シーズンですとフィレンツェの狩猟用のコート地として古くから伝わる「カセンティーノ」を多彩な色バリエーションで展開したりと他のメーカーでは見られない、非常にトレンドを意識し編集されたコレクションと言えます。