2013年8月16日金曜日

ロゼストオーダーメイドスーツ Vol.12

一昨日、昨日とディテール、言わばオーダーならではの選べるデザインの話をご紹介させて頂きました。

本日はこれもオーダーメイドならではの大きなアドバンテージである「体型補正」のお話をさせて頂きたいと思います。モデル別の細かな補正可能箇所などのご紹介は明日以降としまして、今日は「体型補正」についての私の考え方をご説明させて頂こうと思います。


オーダーメイドの良さって色々あると思います。例えば、「好きな生地が選べる」・「好みのデザインで作れる」・「体型に合わせて作れる」はたまた「出来上がるまでが楽しみ」何ていう方もいらっしゃると思います。そんな中で個人的にはオーダーメイドの最も良い点は「体型に合わせて作れる」という事に尽きると考えています。

この「体型に合わせて」という捉え方ですが・・・ジャケットで言うと着丈や肩幅、ウエストサイズ等、パンツならお尻周りや長さが自分にぴったりと合っている事が「体型に合っている」と思う方もいらっしゃるかも知れません。確かにオーダーメイドですから各部の大きさ、長さ等がぴったり仕上がっているだけで満足感を得られても間違いではありません。

ただ、私が考える「体型に合わせて作れる」というのは上記とは少し次元が違います。

わかりやすい例を挙げてみましょう・・・

身長が同じ、肩幅、3サイズが同じ、体重が同じ二人の男性がいるとします。巷によくあるパターンオーダーの店なら恐らくこの二人のジャケットの着丈と肩幅、ウエストサイズは同じサイズで仕上げるでしょう。そしてそれを着た二人は体にフィットしていると思うはずです。

それはヌード寸に対しておおよそのゆとり量が予め決まっており、その通りの寸法で仕上げるだけの所謂パターンオーダーだからです。こうした縦横の寸法合わせだけで「オーダーメイドです」と看板を掲げているところは星の数ほどありますが・・・

私がこの二人のジャケットを作るとなれば、上がり寸法はもしかすると同じ箇所が出てくるかも知れませんが、肉付きの違いや、姿勢の違いを加味しますので、必然的にバランスの違ったジャケットになります。

人間の体は全て曲線で出来ており、その肉付きは千差万別、更に左右対称ではないので、左右のバランスもお客様一人一人によって全て違ってきます。更になで肩やいかり肩、猫背や反身、肩甲骨やお尻の出っ張り方etc.その方の体型のクセを見抜き、前後左右のバランスを細かく調整していく事が非常に重要な作業となるのです。

簡単に申しますと、採寸時にチェックした体型のクセをパターン上で修正していき(この作業を「体型補正」と言います)、その修正されたパターンを使ってパーツ毎にカットし、その後縫製に移ります。

私の中でオーダーメイドの良さ「体型に合わせて作れる」という意味は、このような「体型補正」が出来る事が大前提だと考えています。

では明日からはロゼストオーダーメイドスーツの「体型補正」についてご紹介させて頂きます。