2013年7月20日土曜日

「SPIGOLA」受注会を前に・・・

ロゼスト白金本店をオープンさせていただきましたのが2006年1月13日。

早いもので、既に丸7年以上が過ぎ去りました。

当時、オープンにあたってオリジナル商品を色々と企画し、その一つにオリジナルのドレスシューズがありました。
それは・・・それまで英国やイタリアの名だたるシューメーカーの商品を幾つも販売させていただき、また自分でも履き続けてきた経験を活かし、Made in Japanでそれらに負けないシューズを作りたいとの想いからでした。

しかし前職時代からスーツやシャツの工場にはそれなりに精通してはいましたが、靴工場には全く縁がなく、想いだけは募れどもなかなかスタートが切れませんでした。

その企画を一から一緒に手伝ってくれたのが「SPIGOLA」の鈴木幸次君でした。


彼とは当時から遡る事6年ほど前、彼がまだフィレンツェの靴職人「Robert Ugolini」氏の元で弟子として学んでいた時代に現地で知り合い、同じ関西人、年齢も近いという事もあり、以降私がフィレンツェ入りする度に会っていました。まだ修業中で忙しい彼に無理を言って作ってもらった数足のビスポークシューズは今となっては私の宝物になっています。

その後、彼は帰国し神戸に自身のアトリエを構え「SPIGOLA」をスタート。それが2001年の事でした。
2005年、念願のショップオープンに並べるオリジナルシューズの企画で行き詰っていた私は、ビスポークシューメーカーとして既に評判となっていた鈴木君に連絡をし、協力を仰いだのでした。

鈴木君は忙しい身にも関わらず協力を引き受けてくれ、それから東奔西走し、約1年掛かりでオリジナルシューズのコレクションは無事店頭に並びました。その過程で様々な困難もありましたが、素材となるレザー探しや工場巡り、サンプルチェックなど、いま思えば2人で色んな場所へ出向きました。

そういう様々な縁や思い出があり、ロゼストオープン当初から「SPIGOLA」の受注会を定期的に開催する事になったのです。


彼とは好きなアッパーのテイストや移り変わっていく好みの木型の気分が似ていて、お客様に提案する際に方向性で意見が合う事が多く助かっています。
まぁ出会ってかれこれ10数年来のお付き合いですから、最近ではある意味「あうん」の呼吸になってきたかなと感じております。


彼の作る靴に魅了されて始まった関係ですから、私ももちろん彼の信者の一人。
その最大の魅力は、「グラマラスで男性的なフォルムの中に垣間見える繊細で艶っぽいディテール」と言えるのではないでしょうか。その繊細さ、ディテールも決して一辺倒ではなく、時代の気分に合わせて少しづつ進化・変化しているところに職人としての美意識と高いセンスを感じます。


実際に弟子時代に製作してもらった靴と最近の靴を比べると全く別物といってもいい位、進化しています。この絶えず進化がある事が彼の靴のもう一つの魅力と言えると思っています。

これに関しては「SPIGOLA」の公式ホームページの中で彼本人も以下のように述べています。






SPIGOLAというブランドを立ち上げて10年という歳月が経過しました。十年一昔、設立当初から見るとファッションや経済と様々なものが変化していることを感じます。 自身の作る靴も修行時代 〜10年前 〜 そして現在と日々変化しているように思います。極端に言うと昨日あった事、見たもの、話した事などで今日の靴が変わる事もあるような気さえします。
Atelier
旅をする中でインスパイアされる高尚な作品、心に残る風景や響く音楽。五感でさまざまな世界の刺激を感じ、咀嚼し、それを私なりの解釈で作品に注入できれば、歩き、走り、戦うための道具である靴が、ある人のひとつの楽しみであったり、喜びに変わるものになりましょう。

7月26日(金)~28日(日)の3日間、「SPIGOLA」受注会を開催致します。
是非この機会に彼の世界をお楽しみ下さいませ。