2013年8月9日金曜日

ロゼストオーダーメイドスーツ Vol.7

前回まではジャケットについて各モデルのご紹介をさせていただきましたが、本日からはパンツについて詳しくご紹介させていただこうと思います。

パンツのモデルですが、まず大きく3つのモデルに分類されます。

「Uno」
「Due」
「Tre」

この3つのモデルそれぞれにノープリーツ、ワンプリーツがございますので、計6種類のモデルが存在します。ただしジャケットのモデル毎に組み合わせの出来るモデルが下記のように決まっておりますので、その中よりお選び頂く形となります。

「Avernus」「Alvano」「Uno」「Due」
「Garda」「Como」「Tre」
「Orta」「Lugano」⇒ジャケット専用モデルですがセットアップという形でスーツにも対応が可能。
その際には「Uno」「Due」「Tre」の全てよりお選び頂けます。

本日はまずモデル「Uno」についてご紹介をさせて頂こうと思います。

このモデルは当店のお客様に多い40代~50代の体型を考慮し、やや股上が深めでヒップ周り、尻ぐりにゆとりを持たせています。

シルエットは今のトレンドからすると少しゆとりのあるパターンとなっており、どちらかと言えば痩せている方よりは恰幅の良い方に向けたサイジングと言えます。

サイズスペック

「Uno One pleats」46 size

ウエスト   82 cm
ヒップ    104 cm
ワタリ  33.4 cm
ヒザ   24 cm
スソ   21.4 cm
股上   24.4 cm

「Uno No pleats」46 size

ウエスト 82 cm
ヒップ  100 cm
ワタリ  32.7 cm
ヒザ   24 cm
スソ   21.4 cm
股上   24.4 cm

上記をご覧頂ければお判りの通り、プリーツの有無に関わらず、ヒザからスソにかけての太さ、股上は同じサイズになっており、1プリーツはノープリーツに比べヒップからワタリにかけての余裕を取ったサイズとなっています。

もちろんパターンオーダーですからシルエットはお好みに合わせてアジャストが可能。シルエットだけではなく、股上の深さ(前後別)や尻ぐりの出し詰め、センタークリースの逃げ等、体型補正にもかなり柔軟に対応できる点もこのモデルの特徴の一つとなっております。

デザイン面に関して・・・

ポケット⇒縦・斜め・L・ジーンズ型
ウエスト⇒ベルトループ付・ベルトレス
フロント⇒ジップフロント・ボタンフロント・パンチェリーナ

他、ベルトピンループの有無、後ろポケットのボタンの有無etc・・・
かなり細かな部分までお好みを反映したオーダーを承る事が可能となっております。

明日はこの「Uno」を基本としながらも、よりトレンドを加味した細身のモデル「Due」をご紹介させて頂きます。









2013年8月6日火曜日

ロゼストパターンオーダースーツ Vol.6

本日は6つめのモデルにして最も新しく誕生したモデル「Albano」(アルバーノ)をご紹介させて頂きます。


このモデルはここ数年のメンズスーツのトレンド、すなわち短めの着丈、狭めの肩幅、小さく高い位置に設けられたアームホール&細身のアーム、シャープなラインのゴージ周りetc・・・を程よくバランスさせ、ロゼスト流に再解釈した渾身のパターン。


肩パッド、副資材を程よく入れる事で、スッキリと直線的なショルダーラインを形作っていますが、肩先から首の付け根にかけてのノボリが強く出るパターンとする事で、私の好きななで肩気味のラインが出ています。

胸周りはバスト周りのヴォリューム感を重視し
たパターンとなっており、バストから少し高めに設定したウエストポイントまでグラマラスに絞り込まれたシェイプを見せています。

肩周りのスッキリとしたラインとヴォリュームあるバスト~絞り込まれた高めのウエストシェイプによより、視覚的にジャケットのバランスが顔に近くなり、すっきりとスタイル良く見せる効果があります。

イメージ的には「Avernus」の肩周りをすっきりと構築的にし、各部を少しタイト目にリファインした
モダンクラシックな雰囲気の漂うスタイルとでも言えますでしょうか。

ラペルのカッティングも直線的、ゴージラインは高めでかなり起こし気味となっており、「Avernus」では少しカーヴさせていた上襟のラインも「Albano」ではすっきりと直線的なラインで構成しております。


首回りのフィッティングには特にこだわり、写真のように美しいノボリを描く立体的なパターンとなっています。



6回に渡りロゼストオリジナルスーツの6つのモデルをご紹介させて頂きました。

次回からはジャケットと対になる「パンツ」についてモデル毎にご紹介させて頂こうと考えております。



2013年8月5日月曜日

ロゼストパターンオーダースーツ Vol.5

昨日の「Orta」に引き続き、本日もジャケット専用モデルをご紹介させて頂きます。

ロゼストの6つのモデルのうち、最も軽く柔らかなモデル「Lugano」(ルガーノ)です。


このモデルはシャツジャケットに位置づけられるコンストラクションとなっています。すなわち芯地はもちろん、肩パッドや副資材を全く使わず、表地とライニングのみで構築されたシャツと同じ構造を取っています。そのため他のモデルに較べはるかに軽く、折りたたんで携行できる程の柔らかなジャケットになっています。

ここまで芯地等を使わない縫製は今の流行とも言えますが、既製品では体型にフィットしていない部分はシワやたるみ等になりやすくなかなか綺麗なシルエットで着こなす事が難しくなります。
しかしながらこの「Lugano」はもちろん様々なサイズ調整や体型補正が可能ですので、お体にピッタリ合う1着をお作りする事が可能です。

フロントはシングル2ボタンですが、お好みで3ボタンで承る事も可能です。

肩線を後ろに振る事で前から見た際の余分なシワを防ぐ事ができ、芯地なし、肩パッドなしながら、綺麗なショルダーラインを実現しています。

ウール素材との相性はもちろん悪くありませんが、このモデルのコンストラクションを活かすには、夏場ならザックリとしたリネン系、あるいはシャツ地のような薄手のコットン。冬場でしたらツイードや紡毛系の少しヴォリューミーな素材感を持ったものがおススメです。

肩~肩甲骨にかけてと袖のみライニングがついていますので、着用時に生地が引っかかって動きが妨げられる事もなく、快適な着心地をもたらせてくれます。

「Orta」がビジネスシーンまでカバー出来るカッチリ感と備えているのに対して、この「Lugano」はオフシーンやリゾートでその雰囲気を味わって頂きたいモデルと言えます。

明日はロゼスト6モデルの中で最も新しく加わった「Albano」(アルバーノ)をご紹介させて頂きます。



2013年8月4日日曜日

ロゼストパターンオーダースーツ vol.4

本日はジャケット専用のモデルとして開発したモデル「Orta」をご紹介致します。


この「Orta」は年々カジュアル化が進むジャケット市場に合わすべく企画したトレンド性の強いモデル。

サイジングはかなりタイトな設定で、肩幅は他のどのモデルよりも狭め。袖幅も細く、着丈も今のトレンドを踏まえた短めに仕上げています。


短めの着丈に合わせ、フロントボタンのバランスをやや高めにし、スタイリッシュに見せています。


ジャケット専用のモデルという事で柔らかな仕立てにこだわりました。肩パッドはもちろん胸周りの芯地も排し、軽くナチュラルな着心地を実現。柔かな雰囲気を損ねないよう、袖付けは肩の下に袖山を差し込む製法を取り入れています。


フロントラペルは少し丸みを帯びたカッティングとする事で柔らかな曲線を描いています。


ゴージ位置はかなり高めにし、短めの着丈、高めのボタン位置とのバランスと相まって、スタイリッシュでスポーティなシルエットを構築。


アームホールは高めの位置に付けられ、アーム自体も細身で腕の形状に合わせ繊細なカーヴを描いています。「Avernus」ではスーツスタイルをエレガントに見せる為、肘から袖先に向かって少しフレアしたカーヴですが、この「Orta」では肘から袖先までテーパードした形状となっており、ジャケットのスポーティな雰囲気を損なわないカッティングとなっています。

カジュアルなジャケットスタイルには最も相応しいモデルがこの「Orta」
是非店頭でサンプルをご覧くださいませ。



2013年8月3日土曜日

ロゼストパターンオーダースーツ Vol.3

本日ご紹介致しますモデルは「Como」


クールビズに代表される現代のカジュアル化したビジネスシーンや、ゴルフ、リゾートでのジャケットスタイル等、少しリラックスしたシチュエーションを想定して作ったパターンです。


一番の特徴は、肩パッドは勿論、芯地や副資材を極力排したコンストラクションとする事で、素材の風合いを活かした仕上がりとなる事です。特別な柔らかい芯地、そして大見返しと呼ばれる裏地を排した仕立てにこだわって柔かさを追求致しました。

その為、コットンやリネンといった夏素材との相性が良く、また冬場はカシミアと組み合わせる事で柔らかな風合いを引き出し、軽い着心地を生み出します。


袖付けはマニカ・カミーチャと呼ばれるカジュアルなスタイルとしており、ノーネクタイのスーツ、ジャケットスタイルに相応しいエレガントカジュアルな雰囲気を盛り立てます。

このモデル特有のディテールとしてネクタイポケットがございます。


タイドアップの必要がなくなった際、またタイドアップの必要があるかも知れないといった微妙なオケージョンの際、4つ折りにしたネクタイをこのポケットにスルッと収納できるようになっています。



上部のループを折りたたんだネクタイに引っ掛けることで、ネクタイがポケットの下に落ちず、すっきりと目立たなく携行する事ができる仕掛けになっております。もちろん必要のない場合は最初からこのポケットを省略してご注文を承る事も可能でございます。


ラペル周りやポケット周りのステッチは他のモデルに比べてほんの少し目立つピッチ、強めに配しています。これも少しだけカジュアルな雰囲気に見せる為の細かなディテールですが、リネンやコットン素材には非常に効果のある仕上げです。

襟幅は全モデル中、一番太めにデザインされています(サイズ46で9.5cm巾)。カジュアルな中にも大人っぽさ、落ち着いた雰囲気を出すために、敢えてこのバランスに設定致しました。

シングル3ボタンで、ウエストシェイプは少し緩めのDROP 6 に設定してあります。

通常のスーツより少しだけリラックスした雰囲気のスーツをお探しの方、オフタイムのジャケットに最適なパターンです。

2013年8月2日金曜日

ロゼストパターンオーダースーツ Vol.2

昨日に引き続いてオリジナルモデルのご紹介をさせて頂きます。

シャープなラインが特徴の「Garda」(ガルダ)というモデルです。


このモデルは昨日ご紹介させていただいた「Avernus」との差別化を明確にしたもので、すっきりとシャープなシルエットを目指して作られたパターンになります。

「Avernus」がどちらかと言えば南イタリアの丸みの強い服を目指して形作られたのに対して、この「Garda」はミラノスタイルに代表される北イタリアのクラシックに影響を受けて形作られました。



特徴的な一つは適度に肩パッドや副資材を入れ形成されたシャープなショルダーラインと、綺麗にコンケープさせた袖付け部分。特に細めの体型の方や、なで肩気味の方が着ると姿勢が良く見え、がっちりとした風格のある肩~バスト周りの雰囲気を醸し出します。


そしてゴージの位置をかなり高めに設定し、上襟のラインも直線的にデザインしている為、モダンで都会的な雰囲気が出ると同時に、見た目のバランスがやや高くなる事で、すっきりとしたシルエットが強調されています。

バストからウエストにかけてのシェイプはDROP 8 に設定しており、ボリューム感のある肩、バスト周りからウエストにかけての美しいシェイプは「Garda」も特徴の一つです。


フロントはシングルの2ボタン。昨今2ボタンのモデルは襟幅がかなり細目のスーツが多いですが、このモデルではあくまで大人っぽさを追求し、46サイズで襟幅8.7cmと細すぎないサイズに設定しております。

「Avernus」では肘から先を微妙なカーブラインとしていた袖ですが、この「Garda」では一般的な袖のラインとしています。ボディ全体の雰囲気との調和を考えた細かなデザインの仕様違いは私どものオリジナルならではの拘りでもあります。

このモデルはそのシャープなシルエット故、スーツをご注文の際に選ばれる事が大半です。ジャケットにはより適したモデルもご用意しております。明日はカジュアルな雰囲気のスーツ、ジャケットを想定して作ったモデル「Como」をご紹介させて頂きます。


2013年8月1日木曜日

ロゼストパターンオーダースーツVol.1

ロゼスト白金本店のオープン当初より取り扱いしておりますオリジナルスーツのパターンオーダー。
オープン時は1つのモデルしか御座いませんでしたが、今では6つのモデルよりお好みでお選びいただけるまでにバリエーションが広がりました。

そこで今月は今一度当店のパターンオーダースーツを詳細にご紹介していきたいと思います。

①モデル毎の特徴
②採寸に関して
③補正に関して
④取り扱い生地に関して
⑤ディテールに関して

大まかに上記の5つのパートに分け、徹底的にご紹介していきますので是非宜しくお願い致します。

本日は①モデル毎の特徴の第1回目として、累計で最も多く選ばれている人気モデル「Avernus」(アヴェルナス)をご紹介致します。



このモデルは私が数多く袖を通してきた南イタリアのスーツメーカー数社を徹底的に研究し、軽さと着心地の良さを追求し作り上げた渾身のパターンです。


個人的にはジャケットを着た時、なで肩に見える方がかっこよく男の色っぽさが出るという考えですので、肩周りは最小限の芯地のみを配し、肩から首にかけての「ノボリ」が強く出るように設定したモデルです。


したがって袖付けも差し込み袖とし、そこにほんの少しだけ副資材を入れカッチリと見せる事でカジュアルに見え過ぎないように配慮しています。

芯地は柔らかさを出すためにもちろん本バス芯仕立てなのですが、特殊な形に成形したものを使い、肩パッドの役割の一部を持たせる事で、着心地の軽さ、柔らかさが更に際立っています。


ジャケットの顔ともいうべきゴージ位置は過度に高すぎない位置に設定し、そこから伸びる上襟のラインも少し曲線をつけ、エレガントな雰囲気に仕上げています。
フロントはオーソドックスなバランスのシングル3ボタンです。


上襟にも言える事ですが、このモデルは「丸み」「曲線」を出す事にこだわったモデルでもあり、例えば袖のパターンは、肘先で一度絞られ袖口にかけて微妙に広がって微妙な曲線を描いています。

実際にサイズサンプルを羽織ったお客様は皆様まず第一声に「軽い」とおっしゃられる事が多く、その軽さとクラシックで落ち着いた雰囲気からこのモデルをご指定頂くケースが多々ございます。

明日はシャープなラインと若々しいバランスのシングル2ボタンモデル「Garda」をご紹介致します。